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ていけいせいじん
低形成腎Hypoplastic kidney

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病気・治療解説

概要

腎の発生過程で,何らかの原因により生じる先天的な尿管芽の分岐異常により,組織学的には正常なネフロンを有するがネフロンの数が少ない病態を言う。異形成腎と合併することも多く,臨床的には低形成・異形成腎として一括して取り扱われることも多い。

病因・病態

臨床的特徴として,妊婦健診の際の胎児エコーにより出生前に発見される例も多いが,一方尿路感染症や成長障害を契機に指摘される症例もある。低形成異形成腎は,欧米の研究で小児において末期腎不全の原因疾患第1位(34.1%)と報告されている(1)。最近本邦の保存期CKD(2),あるいは末期腎不全の研究(3)でも,同様に低形成・異形成腎が主要な原疾患であることが示されている。
低形成腎では早期には濃縮力低下から低張多尿を呈しており,それを補うために多飲となっている。また夜尿や昼間遺尿の原因が多飲多尿であり,精査で画像上はじめて低形成腎が指摘される場合もある。

診断

腎機能低下などの臨床所見により疑い,画像検査にて診断する。
①腎の大きさ(長径)が超音波検査上−2SD以下,②核医学検査(DMSA)による腎瘢痕の除外,③片側性の場合は対側腎の代償性肥大がみられることが診断となる(1, 4)。
小児の腎機能評価はCKD診療ガイドライン2013の基準にしたがう(4)。

治療・予後

低形成腎は末期腎不全に至るまで尿量が保たれることが多く,高カリウム血症や溢水を呈することは末期に至るまで少ない。しかし血液データの悪化を認めてからの増悪スピードは速く,先行的移植を考慮する場合は,腎移植実施施設へのタイミングに注意が必要である。
感染症,とくに胃腸炎などの脱水が原因で,急速に腎機能低下が進行する場合がある。脱水に対して適切かつ迅速な加療は必要であるが,低張輸液の使用は低形成腎に対して注意が必要である。
低形成腎の患者は,習慣的に水分と塩分をより多く摂取することによって尿からの水とナトリウム(Na)の喪失を自然にコントロールしている。入院中の食事は普段の食事と比べ塩分量が少なくなるため血管内脱水を引き起こし,体重の減少,血圧低下,尿量低下や腎機能低下を引き起こす可能性がある。

参考文献

1) Sanna-Cherchi S, Caridi G, Weng PL, et al. Genetic approaches to human renal agenesis/hypoplasia and dysplasia.Pediatr Nephrol 22:1675-1684, 2007
2) Ishikura K, Uemura O, Hamasaki Y, et al. Progression to end-stage kidney disease in Japanese children with chronic kidney disease: Results of a nationwide prospective cohort study. Nephrol Dial Transplant 29: 878-884, 2014
3) 服部元史,佐古まゆみ,金子徹治,他.2006年~2011年までの期間中に新規発生した20歳未満の小児期末期腎不全患者の実態調査報告. 日児腎誌 26:154-164, 2013
4) 日本腎臓学会編. CKD診療ガイドライン2013. 東京医学社, 東京, 2013

小児慢性特定疾患情報センターhttps://www.shouman.jp/より、許可をいただき掲載しております。