こうあいじーえむしょうこうぐん高IgM症候群Hyper-IgM syndrome
小児慢性疾患分類
- 疾患群10
- 免疫疾患
- 大分類3
- 液性免疫不全を主とする疾患
- 細分類25
- 高IgM症候群
病気・治療解説
概要
B細胞の内因性のクラススイッチ障害が本疾患の病態であり、血清IgM値が正常のこともあり、最近はクラススイッチ異常症と呼ばれることが多い。
病因
約半数はX連鎖劣性遺伝形式のCD40リガンド欠損症であり、その他は常染色体劣性のCD40、AID、UNG欠損症であるが、原因不明なものも存在する。CD40リガンド、CD40欠損症は抗体欠乏以外の症状を呈することもあり、複合免疫不全症として捉えた方がよい
疫学
わが国で100例以上の患者が存在するが、約半数はCD40リガンド欠損症であり、次にAID欠損症が多いが、その他の病型はまれである
臨床症状
抗体(IgGおよびIgA)欠乏による易感染性を示す。化膿性感染症の重症化がみられ、上気道、下気道感染、膿皮症、中耳炎、化膿性リンパ節炎、腸管感染症、敗血症などを反復罹患する。ADA欠損症では扁桃肥大、リンパ節腫大が特徴的である
治療
免疫グロブリン定期補充療法を行う。バクタの予防内服、マクロライドの少量長期内服を行うこともある。CD40リガンド、CD40欠損症はドナーが見つかれば、造血幹細胞移植を行う
合併症
CD40リガンド欠損症ではニューモシスチス肺炎、真菌感染症、ヘルペス感染症、クリプトスポリジウム感染症、好中球減少を合併しやすい
小児慢性特定疾患情報センターhttps://www.shouman.jp/より、許可をいただき掲載しております。
この疾患に関するピックアップ記事、イベントはありません