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しんけいせつこうしゅ
神経節膠腫Ganglioglioma

小児慢性疾患分類

疾患群1
悪性新生物群
大分類6
中枢神経系腫瘍
細分類82
神経節膠腫

病気・治療解説

定義

腫瘍性格を持つ大型の神経細胞とグリア細胞からなる腫瘍で、生物学的には良性の腫瘍(WHOグレードI)である。

疫学

全年齢に発生するが、小児期に発生しやすい。日本脳神経外科学会による日本脳腫瘍統計から年齢別の発生頻度を見ると、5歳まで7.2%、5歳から15歳まで20%、15歳から29歳まで40.6%となっている。

症状

大脳に発生しやすく、側頭葉に多く前頭葉、頭頂葉がこれに次ぐ。大脳に発生すればけいれんで発症し、高次脳機能障害、情動障害、増大すれば頭蓋内圧亢進症状を来す。小脳、基底核、脊髄にも発生し、局所の脳もしくは脊髄の症状を呈する。

診断

CTでは脳実質に発生する腫瘍で高級域、嚢胞、石灰化を認め、MRIでも同様の所見を認め、種々の程度の増強効果を呈する。大脳の表在性に発生し緩徐な発育をすれば、その部の頭蓋骨内板の脱灰(陥凹)がみられる。摘出標本の病理組織検査で確定する。

治療、予後

腫瘍の摘出が第一選択である。周囲への浸潤が少ないので、肉眼的に全摘出できれば、5年生存率は大脳で93%と良好である。残存腫瘍に対する放射線治療の有効性は証明されていない。組織診断で悪性所見があれば再発しやすいので放射線治療が薦められる。

文献

1)Committee of brain tumor registry of Japan(日本脳神経外科学会による日本脳腫瘍統計): Report of brain tumor registry of Japan (1969-1996) 11th edition, Neurologia medico-chirurgia: 43 (Supplement), 2003.
2)日本脳外科学会・日本病理学会編:脳腫瘍取扱い規約 第3版、金原出版、東京、2010.
3)太田富雄 総編集、川原信隆、西川 亮、野崎和彦、吉峰俊樹 編集:脳神経外科学 改訂11版、金芳堂、京都、2012.

小児慢性特定疾患情報センターhttps://www.shouman.jp/より、許可をいただき掲載しております。

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