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がらくときなーぜけっそんしょう
ガラクトキナーゼ欠損症Galactokinase deficiency

小児慢性疾患分類

疾患群8
先天性代謝異常
大分類5
糖質代謝異常症
細分類61
ガラクトキナーゼ欠損症

病気・治療解説

概要

乳糖は乳製品に含まれる主要な糖であり、新生児、乳児期における主要なエネルギー源である。乳糖は小腸上皮でグルコースとガラクトースに分解され吸収されるが、この吸収されたガラクトースは肝細胞にてガラクトキナーゼ(GALK)によりガラクトース-1-リン酸へと代謝される。ガラクトキナーゼ欠損症はこの経路に先天的な酵素欠損、活性低下により生じる疾患であり、ガラクトースの蓄積をきたす1)。

疫学

日本での発生頻度は約1/100万出生2)。

病因

常染色体劣性遺伝形式を示す先天代謝異常症の一種である。

症状

蓄積したガラクトースがガラクチトールへと変換され尿中排泄されるが、水晶体内でガラクトースから転換したガラクチトールは水晶体の浸透圧上昇と混濁をきたし白内障を生じる。軽度の黄疸、肝機能異常、痙攣、知能障害を合併する症例がまれに報告されている3)。

診断

『診断の手引き』参照

治療

白内障予防のためGALT欠損症に準じたガラクトース摂取制限を行う。定期的な血液検査によって血中ガラクトース値を確認する。

予後

比較的良好

成人期以降

成人期以降も白内障発現のリスクがあり、ガラクトース摂取制限は年齢にかかわらず必要である。定期的な眼科受診を行う。

参考文献

1)Holton JB et al. Galactosemia, In: Scriber CR, et al(eds), The metabolic &molecular bases of inherited disease, McGraw-Hill, New York, 2001; 1807-1820
2)青木菊麿:新生児マススクリーニングで発見された疾患の追跡調査 小児内科1991;23:1887-1891
3)岡野善行 ガラクトキナーゼ欠損症 別冊日本臨床新領域別症候群シリーズ19 先天代謝異常症候群(第2版)上2012;26-28

小児慢性特定疾患情報センターhttps://www.shouman.jp/より、許可をいただき掲載しております。

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