ふぁーばーびょうファーバー(Farber)病Farber disease
小児慢性疾患分類
- 疾患群8
- 先天性代謝異常
- 大分類6
- ライソゾーム病
- 細分類93
- ファーバー(Farber)病
病気・治療解説
概要
ファーバー病は、酸性セラミダーゼ(N-アシルスフィンゴシンアミドヒドロラーゼ)の活性低下により、基質であるセラミド(ceramide)が様々な組織に蓄積し、障害を引き起こす常染色体劣性遺伝疾患である。本疾患における関節の有痛性腫脹、肉芽腫形成、拘縮は免疫学的機序による炎症性変化に基づくと考えられている。
疫学
世界で90例の報告があり、本邦では10例程度と言われている。
病因
ファーバー病は、ライソゾーム酵素の酸性セラミダーゼ(N-acylsphingosine amidohydrolase1: ASAH1)の遺伝子変異により酵素活性が低下し、セラミド等が蓄積し、泡沫化したマクロファージが集簇し、脂肪性の肉芽腫を形成する。そして、疼痛を伴う進行性の関節腫脹変形、関節周囲や圧迫部位の皮下結節、進行性の嗄声を三主徴候を呈する。
症状
発症時期と重症度により、下記の6つ(プロサポシン欠損型を含めて7つ)に分類される。
古典型(1型)、中間型(2型)、軽症型(3型)、新生児型(4型)、進行性神経障害型(5型)、サンドホッフ病合併型(6型)、プロサポシン欠損型(7型)に分けられ、古典型が最も多く、生後数ヶ月以内に発症し、疼痛を伴う進行性の関節腫脹変形、関節周囲や圧迫部位の皮下結節、進行性の嗄声の三主徴候を認め、数年以内に死亡する。新生児型は、最重症型で著明な肝脾腫や進行性の中枢神経障害を認め、乳児期早期に死亡する。プロサポシン欠損型は、ゴーシェ病に類似しており、肝脾腫と中枢神経系病変を認める。
診断
治療
主には対症療法であるが、造血幹細胞移植により、肉芽腫の減少、関節変形の減少や疼痛の軽減、関節可動域の改善、嗄声の軽快を認めたが、神経症状は改善しなかったという報告もあり、適応に関しては慎重に議論されなければならない。
予後
古典型は乳児期に死亡し、新生児型では乳児期早期に死亡する。軽症型では成人例も存在する。
成人期以降
特になし
小児慢性特定疾患情報センターhttps://www.shouman.jp/より、許可をいただき掲載しております。
この疾患に関するピックアップ記事、イベントはありません