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くりおぴりんかんれんしゅうきねつしょうこうぐん
クリオピリン関連周期熱症候群cryopyrin-associated periodic syndrome

指定難病106

クリオピリン関連周期熱症候群
家族性寒冷自己炎症性症候群
マックル・ウェルズ症候群
慢性乳児神経皮膚関節症候群
新生児期発症多臓器系炎症性疾患

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病気・治療解説

概要

NLRP3遺伝子 変異 を原因とし、発熱等の 炎症 が体質的におこってくる病気です。軽症型の 家族性 寒冷蕁麻疹、中等症のマックル-ウェルズ症候群、重症型のCINCA症候群/NOMIDの3症候群を含みます。

罹患数

約100万出生に1人ぐらいの発症です。日本では重症のCINCA症候群/NOMIDから軽症の家族性寒冷蕁麻疹まで含めると、約100人存在するとされております。

疫学

全世界で認められ、人種等の偏りはないとされています。

原因

病気をおこす遺伝子としてNLRP3遺伝子が知られています。患者さんはこの遺伝子に変異を持っている方が大半です。一部、NLRP3遺伝子変異が認められない患者さんが存在する事も知られています。

遺伝

この変異を持っている患者さんのこどもは、50%の確率で変異遺伝子をもちます。
変異遺伝子をもっている方が発症する可能性は高いといわれています。

症状

乳児期に発症する事が多く、発熱、蕁麻疹様発疹、血液検査にて 炎症反応 が陽性となります。
重症のCINCA症候群/NOMIDでは、持続性に炎症が続きます。さらに他の合併症として、 無菌性髄膜炎 、それに伴う発達遅延、てんかんを認めます。関節症状として、関節炎、膝関節等に骨幹端過形成を認めます。その他、感音難聴、 うっ血 乳頭、視神経萎縮、ブドウ膜炎、強膜炎、上強膜炎、結膜炎、鞍鼻・前頭突出などの特徴的な顔貌を認めます。
中等症のマックル−ウェルズ症候群では、発熱発作等が数日持続します。CINCA症候群/NOMIDで認められるような骨幹端過形成は認めません。軽度の無菌性髄膜炎はしばしば認めますが、発達遅延、てんかん等の中枢神経の合併症は認めません。
軽症型の家族性寒冷蕁麻疹では、寒冷刺激にともない発熱、結膜充血、関節痛を認めます。通常発熱は1−2日で軽快します。
これらの3症候群は必ずしも、境界明瞭に区別できるものではなく、一種の連続性のある病気とされております。

治療法

病態としてNLRP3遺伝子変異によるインフラマソームという炎症機構の活性化が原因とされています。このインフラマソームの活性化により、IL-1βが過剰産生され、炎症を引き起こすとされています。現在、本疾患に最も有効な治療として、カナキヌマブというIL-1βを中和する生物製剤が承認されております。クリオピリン関連周期熱症候群に含まれるいずれの疾患にも有効とされています。

経過

重症型のCINCA症候群/NOMIDは、持続する発熱、無菌性髄膜炎に伴う頭痛、中枢神経障害、それに伴う発達遅滞、てんかん、難聴、関節炎に伴う関節拘縮、ブドウ膜炎・うっ血乳頭に伴う視神経萎縮による視力低下、長期の炎症に伴うアミロイドーシスなど、 予後 不良であり、最重症例では早期に死亡する可能性があります。抗IL-1療法であるカナキヌマブは、全身の炎症、無菌性髄膜炎、ブドウ膜炎等の眼炎症、関節炎をいずれも押さえることが可能で、患者さんのQOLは著明に改善しました。
中等症のマックル−ウェルズ症候群では、発熱、全身炎症に伴う倦怠感、軽度の髄膜炎に伴う頭痛、難聴、アミロイドーシスによる腎不全・肝障害・消化器障害が問題となります。以上の症状はカナキヌマブにて改善しました。
軽症型の家族性寒冷蕁麻疹では、寒冷に伴う蕁麻疹、発熱、関節痛が問題となり、 生命予後 は良好とされております。ただ、一部アミロイドーシスもまれですが報告されており、炎症の程度により、カナキヌマブの治療を考慮します。カナキヌマブの有効性は、家族性寒冷蕁麻疹でも報告されております。

患者さんに知って欲しいこと

さまざまな症状が知られているので、それぞれ十分に治療されているか観察することが大切です。また軽症型の家族性蕁麻疹では、寒冷刺激が炎症を誘発することが知られています。寒冷刺激、夏のエアコン等による急激な温度低下はできるだけ避けましょう。
治療において使用されるカナキヌマブは、免疫を抑える作用があり、細菌感染症にかかりやすくなる事が知られています。発熱時には、早めに主治医に受診するようにしましょう。

※難病情報センターhttp://www.nanbyou.or.jpより、許可をいただき掲載しております。