そのた、じゅうどのずがいこつそうきゆごうしょう31から33までに掲げるもののほか、重度の頭蓋骨早期癒合症craniosynostosis
小児慢性疾患分類
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病気・治療解説
概要
複数の頭蓋骨早期癒合に伴う複雑な頭蓋(顔面)変形を伴う頭蓋骨多縫合早期癒合症の中で、クルーゾン病、アペール症候群以外のものを対象とする。症候性としてはPfeiffer症候群、Carpenter症候群、Antley-Bixler症候群、Seather-Chotzen症候群などが相当する。この他にも稀少症候群、あるいは分類不能の多縫合早期癒合症を対象とする。
疫学
発症率は不明であるが、いずれも出生50,000~200,000人あたり1名前後と推定されている。頭蓋骨縫合早期癒合症全体の発生率が、出生10,000人あたり4~10名であることを考慮すると、頻度自体は稀であるが医療技術の進歩と共に診断及び治療対象となる症例が増加してくるものと予測される。重症例では全身状態不良であり、成人期に達することは容易でない。
原因
明らかな原因は不明な症例が多いが、遺伝子変異を背景にもつことも少なくない。Pfeiffer症候群1型ではFGFR (FGFR: Fibroblasgt growth factor receptor)1 及びFGFR2 遺伝子が、2型、3型ではFGFR2 遺伝子が関与し、常染色体優性遺伝の形式をとる。Seather-Chotzen症候群ではTWIST 遺伝子変異を伴い常染色体優性遺伝形式をとる。
症状
頭蓋骨多縫合早期癒合による搭状頭蓋・短頭蓋・クローバーリーフ変形など多彩な頭蓋変形を生じる。前頭蓋底狭小に伴う眼窩狭小により眼球突出を伴うことも少なくない。重度の精神運動発達障害を伴うことが多く、無呼吸発作・上気道感染など重度の医療介入が必要となる。長期的な生命予後は不良である。
合併症
しばしば、手指・足趾・四肢の癒合・形成不全・形態異常、上気道狭窄による呼吸不全、耳管狭窄による難聴、キアリ奇形、水頭症を合併し、疾患治療経過が重症化する。
治療法
頭蓋変形に対しては、頭蓋骨拡大形成術、頭蓋延長器装着術などが行われる。通常、1 回の手術で完治することは難しく、複数回の手術を段階的に行う。合併する水頭症・キアリ奇形に対しては、頭蓋内圧亢進の程度・症状の有無及び重症度を検討し、治療の必要性及び治療時期を判断する。
研究班
Craniosynostosis研究会において、国内における頭蓋骨縫合早期癒合症の実態調査が開始されたところである。
小児慢性特定疾患情報センターhttps://www.shouman.jp/より、許可をいただき掲載しております。
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