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せんてんせいきかんきょうさくしょう
先天性気管狭窄症congenital tracheal stenosis

指定難病330

他に、先天性声門下狭窄症もあります。

先天性気管狭窄症
先天性声門下狭窄症

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咽頭・喉頭・気管狭窄症患者レジストリ構築研究2019・04・15

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病気・治療解説

概要

先天性 気管 狭窄 症とは、生まれつき気管が細く、生まれてすぐもしくはカゼなどを引いて呼吸困難に陥る重症の病気です。多くの場合、気管の膜様部と呼ばれる筋肉の部分が欠如して、気管内腔を保っている軟骨の部分が完全にリング状になっていることがほとんどです。この部分は成長できないため、体の成長に伴って症状が悪化することがあります。狭窄部は短いことも、気管の全長に及ぶこともあり様々です。そのため、狭窄部の長さに応じて症状の出方が異なり治療方法も様々です。
先天性声門下狭窄症とは、喉頭(のど)の入口にある声帯の直下の部分(声門下腔)が生まれつき狭く、生まれてすぐに呼吸困難に陥る重症の病気です。声門下を形成している輪状軟骨の形成異常(過形成)によると考えられています。狭窄の程度により症状もさまざまですが、まずは気管切開により気道確保されることがほとんどです。

罹患数

気管狭窄は30,000〜50,000人の出生に対して1人くらいといわれています。わが国では年間に20〜30人が発生しています。声門下狭窄は5,000〜10,000人の出生に対して1人くらいといわれています。

疫学

気管狭窄では生まれてすぐから発症するひとが1/3くらい、乳幼児期に見つかるひとが1/3くらい、あとは他の病気で手術の際などに見つかるひとが1/3くらいです。先天性の心疾患のひとに合併すること多いです。ダウン症などの染色体異常に合併することがあります。声門下狭窄はほとんどが生まれてからすぐに症状が出て、みつかることが多いです。また呼吸困難により気管挿管が行なわれ、チューブが入れにくかったり、抜去が困難な事からみつかることもあります。

原因

いまだ原因は不明です。気管狭窄は気管の発生の異常で、気管軟骨の形成異常と考えられています。声門下狭窄は輪状軟骨の形成異常(過形成)によるものと考えられています。

遺伝

大多数の例では遺伝することはありません。特定の遺伝子が関与しているのではないかと研究されています。

症状

新生児期に発症する場合の主な症状は、呼吸困難です。生まれた直後から高度の呼吸不全や循環不全を生じ、 チアノーゼ 、徐脈、無呼吸などを起こして蘇生処置を必要とします。このような症例の中には、蘇生処置を施しても短時間で死亡したり、人工呼吸管理中に死亡してしまう例もあります。生まれつき気管が細くても、最初は呼吸症状がなく、あとからカゼなどを引いて気道の粘膜が腫れることから呼吸困難を生じるような例もあります。このような場合は新生児期を無症状で過ごし、乳児期以降に発症することがあります。呼吸困難のために気管挿管されようとして、チューブが正しい位置に挿入できない事からみつかることも多いです。ときには症状が全くなく、レントゲン検査などで偶然発見される軽症例もあります。

治療法

気管狭窄の軽症例ではお薬や吸入療法などで経過をみる場合がありますが、ほとんどの症例では外科治療が必要となります。細い部分が短ければその部分を切除して正常の太さの気管どうしをつなぐことができますが、多くの場合は何らかの 形成手術 が必要となります。場合によっては気管切開が必要となることがあります。
声門下狭窄は喉頭(のど)の入り口の狭窄ですので、直ぐに症状が出ることが多く、救命のために気管挿管や気管切開が行われます。その後、長期間かけて症状が軽快する人もありますが、多くの場合なんらかの形成手術が必要となります。

経過

この病気では、初発時の重症度によってその後の経過が大きく違ってきますので、症例ごとに担当の先生から詳しくお話を聞かれることをお勧めします。出生時に高度な狭窄を伴ったり、複雑心奇形を合併したような最も重症な例では、出生後短時間で死亡したり、たとえ手術ができても数週間から数ヶ月で死亡することがあります。しかし、治療法の進歩によってこの病気の最近の救命率は改善しており、2011年に行われたわが国の全国調査では、約4分の3の患者さんが生存しています。複雑心奇形などの 重篤 な先天奇形や、重症染色体異常を合併していない先天性気管狭窄例に限れば、約85%の患者さんが生存退院しています。新生児期を過ぎて発症する症例では、気道感染により症状が悪化し、場合によっては窒息症状で見つかることもあります。
退院までに要する期間は、病気の重症度によってかなり異なり、手術後2〜3週間で退院できる軽症例から、退院までに1年以上かかる重症例まで大きな差があります。また、手術で気道を形成しても、再狭窄や肉芽形成が起きることもあります。軽症例では、手術後は後遺症や障害を残さず、長期的にも良好な経過をたどりますが、かろうじて救命されたような重症例では、長期にわたってさまざまな後遺症や障害に悩むことも多いことが分かっています。
長期間にわたる後遺症や合併症として、くり返す呼吸器感染、慢性肺機能障害、慢性 肺高血圧 症、胃食道逆流症、逆流性食道炎、栄養障害に伴う成長障害、精神運動発達遅延、聴力障害、 漏斗胸 、脊椎側弯などが知られています。

患者さんに知って欲しいこと

重症例では多かれ少なかれ肺や気管支の形成異常、先天性心疾患を伴っています。幼少期にひとたび呼吸器感染を起こすと重症化しやすいため、呼吸器感染には十分な注意が必要です。日常生活でどの程度制限が必要かは、気道狭窄の程度と後遺症や合併症の程度によります。そのため、この病気については手術後も一定の期間、定期的にフォローアップを受けて、これら後遺症や合併症の治療を継続することがとても大切です。

※難病情報センターhttp://www.nanbyou.or.jpより、許可をいただき掲載しております。