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かんぜんだいけっかんてんいしょう
完全大血管転位症complete transposition of great arteries

指定難病209

完全大血管転位症

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病気・治療解説

概要

完全大血管転位とは、右房と右室、左房と左室が正常につながり、右室から大動脈が、左室から肺動脈が起始している先天性心疾患です。心室中隔欠損のないⅠ型、心室中隔欠損を合併するⅡ型、心室中隔欠損+肺動脈狭窄合併のⅢ型(および心室中隔欠損のない肺動脈弁ないし弁下狭窄合併のⅣ型)に分類されています。

罹患数

発生頻度は、0.05%(生まれたお子さん2000人に一人)と稀ですが、新生児期早期のチアノーゼ疾患の中では最も多いと言われています。
最初のお子さんが、この病気で次のお子さんも先天性心疾患である可能性は、2.2%と言われています。

疫学

この疾患は約 2:1で男性に多いと言われています。

原因

正常の心臓が発生する過程では、大動脈と肺動脈の付け根は、螺旋状に発生する円錐動脈幹中隔で分かれて行き、大動脈が左室へ、肺動脈が右室へつながります。完全大血管転位症では、この中隔が直線的に発生し、大動脈が右室へ、肺動脈が左室へつながったと考えられています。発生時期は、受精後3-4週と、とても早い時期と考えられています。

遺伝

他の先天性心疾患と同様、多因子遺伝で必ずしも遺伝するものではありません。
一般的には、お母さんが先天性心疾患を持つ場合、お子さんが先天性心疾患を発症する可能性は2-12%、お父さんの場合には、お子さんが先天性心疾患を発症する可能性は1-3%と言われています。

症状

完全大血管転位症のI型は生直後から チアノーゼ が強く、Ⅱ型ではチアノーゼは軽いものの多呼吸、哺乳困難,乏尿などの心不全症状が強く表れます。Ⅲ型は肺動脈狭窄が適度であればチアノーゼも心不全症状も軽度です。心房位転換術後は成人期になって,三尖弁閉鎖不全,右室不全、不整脈による動悸が出てくることがあります。

治療法

新生児期には、動脈管を開けるためにプロスタグランデインというお薬を使ったり、チアノーゼが強い場合には、バルーンカテーテルで心房中隔裂開術を行うことがあります。
外科治療としては、完全大血管転位症のⅠ型、II型では大血管スイッチ術を実施します。Ⅲ型では幼児期にRastelli手術を行います。これらができない場合には、心房位転換術を施行します。

経過

治療介入なしでは1ヶ月で50%が、6ヶ月で85%が死亡します。自然歴ではⅠ型が最も予後不良で1ヶ月で低酸素のため80%が死亡します。Ⅱ型では1ヶ月で10%死亡し、Ⅲ型の自然歴が最もよいといわれています。特に、低酸素血症が強く心不全がある場合には,予後が悪いと言われています。近年、Ⅰ型、Ⅱ型で大血管スイッチ術の遠隔期の予後は比較的良好になってきていますが、肺動脈狭窄、大動脈弁閉鎖不全、冠動脈狭窄などを合併することがあります。一方、心房位転換術後は右室が体心室であるため、成人期になって、右心機能が低下したり、難治性不整脈や三尖弁閉鎖不全による難治性心不全を来すことがあります。

患者さんに知って欲しいこと

新生児期に大血管スイッチ手術を受けた患者さんは、その後、肺動脈狭窄や大動脈弁逆流、植え替えた冠動脈の狭窄が見られることがあり、定期受診が大切です。

幼児期に、ラステリ手術を受けた患者さんは、成長とともに右室からの導管が狭くなり、再手術が必要になることがあります。また、抜歯後などに、細菌性心内膜炎を起こすリスクがあり、抗生剤の予防内服が大切です。

心房内血流転換術を受けた患者さんでは、成長とともに、不整脈、三尖弁逆流、右室機能低下による心不全が問題となってきますので、息切れや疲れ易い、動悸、浮腫みなどの症状に気を付けましょう。

※難病情報センターhttp://www.nanbyou.or.jpより、許可をいただき掲載しております。