まんせいひふねんまくかんじだしょう慢性皮膚粘膜カンジダ症chronic mucocutaneous candidiasis; CMC
小児慢性疾患分類
- 疾患群10
- 免疫疾患
- 大分類6
- 自然免疫異常
- 細分類47
- 慢性皮膚粘膜カンジダ症
病気・治療解説
概要
皮膚、爪、粘膜などの再発性、難治性カンジダ感染を特徴とする原発性免疫不全症候群である。通常は慢性に持続する表在性の真菌感染症である。遺伝性のものには常染色体劣性遺伝形式のものと、常染色体優性遺伝形式のものとがある。
病因
カンジダに対する生体防御機構として、ヘルパーT細胞の1つであるTh17細胞の重要性が明らかになっている。皮膚粘膜カンジダ症の責任遺伝子として、IL17F、IL17RA、STAT1、ACT1が同定されているが、いずれもTh17細胞の機能に関連する分子である。この中ではSTAT1遺伝子異常によるものが最も多く約半数を占めるが、原因が同定されていないものも多い
疫学
国内で約20例が同定されている
臨床症状
皮膚、爪、粘膜などの慢性難治性カンジダ症である。深部真菌感染症は通常おこさない。1歳以前に発症することが多いが、遅発性の発症を呈する場合もある。細菌感染症や、ヘルペスや水痘、サイトメガロウイルス感染症などの重症化や反復も認められる
治療
抗真菌剤の局所投与は有効とは言えない。抗真菌剤の全身投与は有効であるが、次第に有効性が落ちる。内分泌異常を合併した場合はホルモンの補充療法が必要となる
合併症
甲状腺機能異常症、自己免疫疾患、頭蓋内動脈瘤が合併することがある。頭蓋内動脈瘤は死亡の原因となり得る
小児慢性特定疾患情報センターhttps://www.shouman.jp/より、許可をいただき掲載しております。
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