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せんてんせいたはつかんないたんかんかくちょうしょう(かろりびょう)
先天性多発肝内胆管拡張症(カロリ病)Caroli Disease

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病気・治療解説

概要

先天性の肝内胆管拡張症であって、肉眼で肝内胆管の多発性・分節状・嚢状の拡張をみるものが古典的である。欧米でCaroli disease は先天性肝線維症を伴わないものを指し、伴うものはCaroli syndrome として区別されている。本邦でカロリ(Caroli)病として報告されるものはCaroli syndromeに相当し、先天性肝線維症を伴うものが大部分である。

疫学

平成17年度から22年度にかけて小児慢性特定疾患「肝内胆管拡張症」の申請は新規と継続を合わせて年間6-9例であった。同時期の年間出生数は106-109万人であった。登録申請されない症例や、小児期に顕性発症しない例もあるとみられる。
海外で成人を含めたCaroli syndrome の頻度は出生10,000から60,000に一人とされており、本邦での今後の調査が待たれる。

病因

原始胆管板の形成不全(ductal plate malformation)が関与するとみられている。この分子生物学的解明は少しずつ進み、Notch2 やJAG1、HNF 1β、HNF6などの関与が知られている。一方、非運動性の一次繊毛(primary cilia)に関する知見が増加し、一次繊毛を構成する分子の異常が、腎嚢胞、肝臓・胆管の異常、網膜色素変性症など多岐にわたる異常をもたらすことが判明し、繊毛病(cilinopathy)の概念が提唱されつつある。肝と腎に嚢胞性疾患をみるhepatorenal fibrocystic diseaseはその一部として理解されつつあり、常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)の責任遺伝子PKD1、PKD2、常染色体劣性多発嚢胞腎の責任遺伝子PKHD1の産物はいずれも一次繊毛基部のbasal bodiesに局在する。Hepatorenal fibrocystic diseaseでは先天性肝線維症ないしCaroli syndromeがしばしばみられ、今後関連がより明確にされる可能性がある。

症状

肝症状が現れる時期は幼児期から60歳代まで幅広い。肝腫大がみられる。症例によって難治性胆管炎が主であるか、門脈圧亢進症が前景に立つかは異なる。難治性胆管炎では胆汁うっ滞、腹痛、不明熱、肝膿瘍、敗血症、成長障害、肝の合成能低下などをみる。若年のうちから胆石、胆管細胞癌の合併に注意を要する。肝肺症候群を合併すると酸素飽和度低下、頻脈、労作時の多呼吸、バチ状指などをみる。
Caroli syndromeをきたす疾患は上述のARPKD、まれにADPKDのほか、Jeune症候群、Ivemark症候群などで記載がある。

診断

特徴的な画像から診断に至ることが多い。腹部超音波では肝実質にエコー輝度の高い斑状のパターンが多発する。拡張胆管には胆泥、胆砂・胆石をみることがある。拡張胆管内に細い門脈枝が走り、低エコー内に高エコーがあるcentral dot signをみることがある。CT、MRIは超音波所見の確認や病変の進展をみる意義がある。

治療

保存的治療が主体であり、胆管炎に対しては抗菌薬を用いる。再発性の胆管炎には予防的抗菌薬投与も行われる。
肝移植の適応は末期肝疾患、肝肺症候群、難治性胆管炎が挙げられる。ARPKDでは肝・腎の2臓器移植が課題である。

予後

充分明らかでないが、門脈圧亢進症・肝肺症候群・難治性胆管炎などの合併症が予後に影響するとみられる。

参考文献

工藤 豊一郎.16 Caroli病、先天性肝線維症.日本小児栄養消化器肝臓学会編 小児栄養消化器肝臓病学. p. 445- 448. 2014

小児慢性特定疾患情報センターhttps://www.shouman.jp/より、許可をいただき掲載しております。