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あるぎにのこはくさんにょうしょう
アルギニノコハク酸尿症Argininosuccinic aciduria

小児慢性疾患分類

疾患群8
先天性代謝異常
大分類1
アミノ酸代謝異常症
細分類15
アルギニノコハク酸尿症

病気・治療解説

概要

アルギニノコハク酸尿症(ASA)はアルギニノコハク酸分解酵素(AL)の欠損により、高アンモニア血症をきたす常染色体性劣性遺伝性疾患である。尿素サイクルの四段階目の酵素がALであり、アルギニノコハク酸をアルギニンとフマル酸へと分解する。

疫学

本邦では7万人に1人との報告がある。

病因

AL遺伝子の機能喪失型変異に起因する。ASAでは他の尿素サイクル異常症より高アンモニア血症による症状は軽いとされている。しかしながら、発達遅滞などの神経学的障害や肝機能障害・肝線維症・肝硬変の合併率は他の尿素サイクル異常症に比べ高く、アルギニノコハク酸の毒性によるものと推察されている。

症状

新生児発症例は興奮、哺乳不良、多呼吸、嘔吐などが生後数日以内に出現し、痙攣、呼吸不全、意識障害などに及ぶ。遅発例においては、感染に関連した間歇的な高アンモニア血症(嘔吐、傾眠傾向、興奮)や、学習障害、ADHD様症状などで気付かれる。新生児マススクリーニングでは発症にいたらないような軽症例も発見されている。

診断

『診断の手引き』参照

治療

・低蛋白食事療法
・残余窒素排泄促進剤:フェニル酪酸ナトリウム(ブフェニールR)、安息香酸ナトリウム
・塩酸アルギニン(アルギUR)
・急性期には高濃度のブドウ糖(10%以上)、血液浄化療法[持続血液濾過透析(CHDF)など]

予後

高アンモニア血症の程度に関係なく、神経症状、肝機能障害が進行する。特に神経学的予後は悪い。
成人期以降
成人期においても前述の治療の継続が必要である。高アンモニア発作を繰り返すときには肝移植も考慮される。

参考文献

1) 中村公俊 先天代謝異常症の治療指針 尿素サイクル異常症 http://jsimd.net/gicg.html
2) Ah Mew N, et al. Gene Review: Urea Cycle Disorders Overview. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK1217/

小児慢性特定疾患情報センターhttps://www.shouman.jp/より、許可をいただき掲載しております。

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