みかけのこうしつこるちこいどかじょうしょうこうぐん見かけの鉱質コルチコイド過剰症候群(AME症候群)Apparent mineralocorticoid excess syndrome; AME syndrome
小児慢性疾患分類
- 疾患群5
- 内分泌疾患
- 大分類21
- 見かけの鉱質コルチコイド過剰症候群(AME症候群)
- 細分類44
- 見かけの鉱質コルチコイド過剰症候群(AME症候群)
病気・治療解説
概要
Apparent Mineralocorticoid Excess症候群(AME)は臨床的には低レニン性低アルドステロン症高血圧、低カリウム血症を特徴とする。生理量のコルチゾールがミネラルコルチコイド受容体(MR)に結合することにより発症する疾患である。遺伝学的に11β hydroxysteroid dehydorgenase (HSD) type2遺伝子(HSD11B2)の異常によって発症する常染色体劣性遺伝病である。
病因
アルドステロンとコルチゾールはMRに対して、ほぼ同様な親和性を有している。生理的な状態では腎臓遠位尿細管で11βHSD type 2によりコルチゾールは不活性型のコルチゾンに変換され、MRには結合できない。そのためアルドステロンのみが結合し、生理的作用を発揮する。この疾患ではHSD11Bの異常によりコルチゾールを不活化できずに、コルチゾールもMRに結合し、その作用を結果的に過剰に発現させてしまうことにより発症する。
頻度
正確な頻度は不明である。
症状、検査
1-3歳ごろに高血圧を認める。その他体重増加不良、多飲・多尿、筋力低下などの低カリウム血症による症状を示す。高血圧は通常高度で10歳未満で脳卒中にいたることもある。ストレス下に誘発される潜在的な高血圧のこともある。出生時低体重(子宮内発育遅延)もありうる。検査所見では低レニン血症、低アルドステロン血症、低K血症、代謝性アルカローシスを示す。診断に確定的なものは尿(あるいは血漿)中コルチゾール/コーチゾン代謝産物比(tetrahydrocortisol(THF)+alloTHF tetrahydrocortison(THE))の増加である(比は10-100倍と増加)。遺伝子変異の同定も診断に有用である。
治療
食塩制限、カリウム製剤、抗アルドステロン薬を組み合わせる。高血圧のコントロールが困難なときには降圧薬(Ca拮抗薬, ACE阻害薬)を併用する。
小児慢性特定疾患情報センターhttps://www.shouman.jp/より、許可をいただき掲載しております。
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