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せんてんせいふくじんていけいせいしょう
先天性副腎低形成症adrenal hypoplasia congenita

指定難病82

先天性副腎低形成症
DAX-1異常症
SF-1/Ad4BP異常症
IMAge症候群

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病気・治療解説

概要

副腎皮質は3層の構造よりなり、球状層からはミネラルコルチコイドであるアルドステロンが、束状層からグルココルチコイドである コルチゾールが、網状層から副腎アンドロゲンであるデヒドロエピアンドロステロン(DHEA)とその硫酸塩であるデヒドロエピアンドロステロンサルフェー ト(DHEA-S)が分泌されている。慢性副腎皮質機能低下症は、これらのステロイドホルモン分泌が生体の必要量以下に慢性的に低下した状態であり、副腎皮質自体の病変による原発性と、下垂体の副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)分泌不全による続発性に大別される。原発性の慢性副腎不全は1855年英国の内科医であるThomas Addisonにより初めて報告された疾患であることから、Addison病とも呼ばれている。その後、この原発性慢性副腎皮質機能低下症の病因として、副腎皮質ステロイド合成酵素欠損症による先天性副腎皮質過形成症、先天性副腎低形成症、ACTH不応症などが同定され責任遺伝子も明らかにされてきたことか ら、アジソン病は後天性の成因による病態を指し示し、先天性のものは独立した疾患単位として扱われるようになった。先天性副腎低形成症は様々な成因により生まれつき副腎の発達が悪く小さいため副腎不全症を呈する疾患であり、狭義には現在、DAX-1異常症、SF-1異常症、IMAge症候群が知られている。

罹患数

先天性副腎低形成症は、約12.500出生に一人とされている。

疫学

先天性ものは主に小児期に発症がみられる。先天性副腎低形成症は新生児期~乳児期にかけて発症が多くみられる。X連鎖性ものは男子に限り発症がみられる。

原因

先天性副腎低形成症を呈するものとして、副腎の発生・分化に関わる異常により副腎欠損を呈するDAX-1やSF-1遺伝子の異常症がある。DAX-1異常症の中にはDAX-1遺伝子を含む大きな遺伝子欠失のために近傍のデユシャンヌ型筋ジストロフィー遺伝子やグリセロールキナーゼの欠損を伴い、隣接遺伝子症候群を呈するタイプがある。CDKN1C遺伝子の機能獲得変異によるIMAge症候群でも、子宮内発育不全、骨幹端異形成、停留精巣・小陰茎などの外陰部異常とともに副腎低形成を認める。

遺伝

先天性のものは遺伝する。X連鎖性先天性副腎低形成症は男子のみに発症がみられ母親は保因者となる。

症状

・X連鎖性(DAX-1異常症)
嘔吐、哺乳不良、色素沈着、低血圧、ショック症状などで発症する。
副腎不全症状は新生児期に発症するものがほとんど(60%)であるが、なかには幼児期や学童期に発症する例(40%)が存在する。思春期年齢になっても二次性徴の発達がみられない(低ゴナドトロピン性性腺機能低下症を合併する)。また精巣での精子形成は障害される。

・常染色体性(SF-1異常症)
副腎不全を呈する例は稀で、主に性腺形成不全による症状、XY女性と二次性徴発達不全を呈する。

・IMAge症候群
子宮内発育不全、骨幹端異形成症、外性器異常(小陰茎、停留精巣)と副腎低形成を合併する。

治療法

不足するステロイドホルモンを補充する。急性副腎不全の発症時には、グルココルチコイドとミネラルコルチコイドの速やかな補充と、水分・塩分・糖分の補給が必要であり、治療が遅れれば生命にかかわる。その後も生涯にわたりグルココルチコイドとミネラルコルチコイドの補充が必要である。新生児期・乳児期には食塩の補充も必要となる。
治療が軌道に乗った後も、発熱などのストレスにさらされた際には副腎不全を起こして重篤な状態に陥ることがあるため、ストレス時にはグルココルチコイドの内服量を通常の2~3倍服用する。適切な治療が行われれば予後は比較的良好である。低ゴナドトロピン性性腺機能低下症に対しては、hCG-HMG療法あるいはテストステロン療法が必要となる。これらの治療により二次性徴は順調に進行するが、精子形成能を獲得することは困難である。

経過

副腎機能の回復は期待できないので、グルココルチコイドによる補充療法を生涯にわたって続けることにより症状もなく良好な一生を過ごすことができる。グルココルチコイドをストレス時に増量しなかったり、服用を忘れたりするとショックを起こし、生命の危険となる。適切な治療が行われれば予後は比較的良好である。

※難病情報センターhttp://www.nanbyou.or.jpより、許可をいただき掲載しております。