あでにんほすほりぼしるとらんすふぇらーぜけっそんしょうアデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ欠損症Adenine phosphoribosyltransferase deficiency
小児慢性疾患分類
- 疾患群8
- 先天性代謝異常
- 大分類9
- プリンピリミジン代謝異常症
- 細分類115
- アデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ欠損症
病気・治療解説
概要
アデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(APRT)の遺伝子異常による常染色体劣性遺伝疾患である。APRTは、アデニンとホスホリボシルピロリン酸よりピロリン酸とAMPを合成する反応を触媒する酵素である。APRTが欠損すると、アデニンはキサンチン酸化還元酵素により著しく溶解度が低く腎毒性が強い2,8-ジヒドロキシアデニン(DHA)にまで代謝される。APRT欠損症では、2,8-DHAを成分とする尿路結石を主症状とする(全尿路結石症の0.1~0.2%)。乳幼児期や小児期に発見されることが特徴の一つであるが、無症状の場合から腎不全を呈する場合まで症状は多様である。
疫学
全尿路結石症の0.1-0.2%を占める。APRT活性が完全に欠損しているI型と部分欠損のII型に分類できるが、日本人は約22%がI型、78%がII型である。日本人のヘテロ接合体の頻度は約1%である。小児期に発見されることが多い。
病因
アデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(APRT)の遺伝子異常によりAPRTが欠損することで、アデニンが正常に代謝されず、2,8-ジヒドロキシアデニン(DHA)が過剰となり、2,8-DHAを成分とする尿路結石が産生される。
アデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(APRT)の遺伝子異常によりAPRTが欠損することで、アデニンが正常に代謝されず、2,8-ジヒドロキシアデニン(DHA)が過剰となり、2,8-DHAを成分とする尿路結石が産生される。
症状
尿路結石、尿閉、腎不全にて発症することがある。
診断
『診断の手引き』参照
治療
アデニンからDHAへの反応を触媒するキサンチンデヒドロゲナーゼを阻害するアロプリノールによって結石の生成を防ぐことができる。食事療法によってアデニン摂取量を控える。また、結石に対しては外科的な治療を行う。慢性腎不全に対して腎移植が行われる場合がある。
予後
本症は無症状から重篤な腎障害を呈する例まで様々であり、予後は腎機能障害の程度による。
成人期以降
上記治療を継続することで、DHA結石の生成を防ぐことにつきる。
小児慢性特定疾患情報センターhttps://www.shouman.jp/より、許可をいただき掲載しております。
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