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血友病治療薬ヒムペブジのインヒビター保有患者さんへの適応追加を申請

ファイザー株式会社は12月10日、「ヒムペブジ皮下注150mgペン〔一般名:マルスタシマブ(遺伝子組換え)〕」について、「血液凝固第VIII因子又は第IX因子に対するインヒビターを保有する先天性血友病患者における出血傾向の抑制」の適応を追加する製造販売承認事項一部変更承認申請を厚生労働省に行ったと発表しました。

血友病は、血液を固めるために必要なタンパク質(凝固因子)が不足しているために、出血などの異常をきたす遺伝性の病気です。治療では不足している因子を補う製剤を投与する方法がとられますが、血友病Aの患者さんの約20%、血友病Bの患者さんの約3%において、投与された因子に対する抗体(インヒビター)が体内で作られてしまうことがあります。インヒビターが発生すると、通常の補充療法では止血が困難になるという課題があります。

ヒムペブジは、血液の凝固を妨げる因子の働きを抑えることで、血液が固まる仕組みを強めるヒトIgG1モノクローナル抗体です。同剤は、インヒビターを保有しない患者さんに対しては2024年12月に承認を取得しており、2025年3月から発売されています。

今回の申請は、インヒビターを保有する成人および青年の患者さんを対象として行われた国際共同第3相試験(BASIS試験)の結果に基づいたものです。この臨床試験では、出血した時に別の薬剤(バイパス製剤)を投与する従来の治療法と比較して、ヒムペブジを週に1回定期的に投与した場合のほうが、年間の出血率において優れていることが示されました。また、安全性についても良好であることが確認されています。

ファイザー社取締役医薬開発担当の石橋太郎氏はプレスリリースにて、「昨年のインヒビターを保有しない血友病患者に対する製造販売承認取得に続き、本日、インヒビターを保有する血友病患者に対して、マルスタシマブの製造販売承認を申請することができたことをうれしく思います。本剤を、すべてのタイプの血友病患者さんに一日でも早くお届けできるよう、承認取得に向け、引き続き関係者と協力してまいります」と述べています。

出典
ファイザー株式会社 プレスリリース

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