ムコ多糖症IIIB型治療薬JR-446、希少疾病用医薬品に指定
株式会社メディパルホールディングスとJCRファーマ株式会社は9月29日、日本において共同開発・商業化を進めている血液脳関門通過型α-N-アセチルグルコサミニダーゼ製剤(開発番号:JR-446)について、厚生労働省より希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)に指定されたと発表しました。
JR-446は、2025年4月に米国食品医薬品局(FDA)より、6月には欧州委員会(EC)より、ムコ多糖症IIIB型を対象としたオーファンドラッグの指定を受けています。
ムコ多糖症IIIB型(MPS IIIB)とは、ライソゾーム病の一種であり、重度の中枢神経系障害を呈する疾患です。NAGLU遺伝子の異常によって生じる常染色体潜性遺伝疾患であり、ヘパラン硫酸の分解に関わるライソゾーム酵素の異常が原因です。脳内の中枢神経系にヘパラン硫酸が蓄積することにより、睡眠障害、言語消失、行動の変化などの神経症状が急速に進行し、患者さんやご家族の生活の質に大きな影響を与えます。世界における患者数が500人から1,000人と推定されている超希少疾患であり、現在、世界的に承認された治療薬はありません。
JR-446は、JCR独自の血液脳関門通過技術「J-Brain Cargo」を使用しています。非臨床試験においてムコ多糖症IIIB型(MPS IIIB)に関連する症状に対する効果を示すことが確認されており、現在、日本においてはメディパルとJCRの共同開発契約のもと臨床第I/II相試験(JR-446-101)を実施中です。