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【米国】再発性/難治性自己免疫性溶血性貧血(AIHA)および免疫性血小板減少症(ITP)含む活動性自己免疫性血球減少症を対象とした臨床試験の計画を発表

米Ouro Medicines社は6月12日、再発性/難治性自己免疫性溶血性貧血(AIHA)および免疫性血小板減少症(ITP)を含む活動性自己免疫性血球減少症患者さんを対象に、BCMAxCD3 T細胞エンゲージャー抗体候補であるOM336の多国間臨床試験を開始する計画を発表しました。同社は、この試験を今年後半に開始する予定としています。

再発性/難治性自己免疫性溶血性貧血(指定難病61、AIHA)と免疫性血小板減少症(指定難病63、(ITP)は自己免疫性血球減少症で、どちらも重篤で生命を脅かす可能性があり、症状は患者さんの生活の質に重大な影響を与える可能性があります。

OM336は、BCMA(B細胞成熟抗原)を発現する標的細胞のT細胞依存性細胞傷害を誘導するように設計されています。CD3標的化アームを調整することで、効力を維持しながらサイトカイン誘導を低減することを目的としており、これにより治療域が拡大する可能性があります。また、OM336は半減期が長く、皮下投与が可能であるため、安全性、忍容性、患者さんのアクセス性が向上する可能性があるとしています。

学術誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)」NEJMの症例報告では、OM336はおおむね忍容性が高く、短期間の皮下投与により、循環血中および組織中の早期および後期の細胞系統にわたるB細胞が急速かつ深く減少することが示されました。重症の再発性/難治性自己免疫性溶血性貧血(AIHA)の患者さん2名が、OM336の投与によりヘモグロビン値が1ヶ月以内に正常化し、試験開始から6ヶ月後の最新の評価まで持続的な寛解を示しました。患者さんは持続的な寛解を維持し、輸血は行われず、サイトカイン放出症候群(CRS)、免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群(ICANS)、感染症は発生しませんでした。

Ouro Medicines社のJaideep Dudani博士はプレスリリースにて、「患者が重篤で生命を脅かす疾患に直面する可能性のある一連の適応症である自己免疫性血球減少症において、OM336の開発を進めることで、臨床段階の企業となることを大変嬉しく思います。自己免疫性血球減少症に関する医師主導研究と、パートナーであるKeymed Biosciencesがスポンサーとなっている腫瘍学研究を通じて、70名以上の患者におけるOM336の臨床経験を検討しました。明らかになったプロファイルは、OM336がモノクローナル抗体の投与によりCAR-Tと同様の効力を発揮し、AIHA、ITPなどの免疫介在性疾患における治療用細胞除去戦略の可能性を秘めていると考えています」とも述べています。

同社のニーリー・モザファリアン医学博士は、「OM336の新たな安全性と有効性のプロファイルに勇気づけられています。これらの症例報告のデータは、OM336が自己反応性B細胞の減少を介した『免疫リセット』を誘導する可能性を示唆しています。自己免疫性血球減少症に関する臨床プログラムを進める中で、これらの疾患やその他の免疫介在性疾患に対する新たな疾患修飾療法としてのOM336の可能性について、より深く理解できることを期待しています」と述べています。

出典
Ouro Medicines社 プレスリリース

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