医薬品の患者宅特殊配送サービス「Home Care Delivery」本格運用で血友病治療薬の宅配を開始
CSLベーリング株式会社は10月3日、アルフレッサ株式会社が構築したスペシャリティ医薬品の患者宅特殊配送サービス「Home Care Delivery」の本格運用開始により、CSLベーリングの血友病治療薬「イデルビオン」および「エイフスチラ」を患者さんの個人宅へお届けすることが可能となったと発表しました。
血友病は、血液凝固因子が生まれつき不足、または欠乏しているため、出血したときに血が止まるまでに時間がかかる疾患です。血友病の主な治療は、不足している血液凝固因子を血液製剤で補い、血液凝固因子の活性を維持する補充療法であり、定期的に薬剤を注射することで、出血を未然に防ぐことが一般的です。通院されている血友病の患者さんは、持ち帰る医薬品の量が多く、温度管理も必要なことから、薬剤運搬の負担が多くあります。
上記に加え、新型コロナウイルス感染拡大で国内の医療提供体制が逼迫する中、感染リスクへの懸念により患者さんが医療機関への受診を控えざるおえない状況が発生したこと、さらに「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(薬機法)の改正による遠隔服薬指導が解禁されたことで、以前よりも患者さんの自宅へ医薬品を宅配するニーズが高まったことが今回のサービスが展開された背景です。
Home Care Deliveryの展開にあたり、アルフレッサは2021年より関東圏において、イデルビオンを患者さん宅に配送するパイロット運用を実施していました。その結果、患者さんのお手元に医薬品を安全に配送することが可能であることが確認できたため、今回、関東、中部、近畿(一部地域は除く)の医療機関を対象として本サービスを本格稼働することが決まりました。
CSLベーリングはプレスリリースにて「アルフレッサの本サービスを通じて、『イデルビオン』、『エイフスチラ』を使用されている患者さんの薬剤運搬の負担軽減がQOL向上に繋がることを期待しています。さらに医療機関での不良在庫や廃棄のリスク低減にも寄与できると考えます」と述べています。