全身性強皮症を対象とした第Ⅲ相臨床試験の結果速報
科研製薬株式会社は「レナバサム」について、米コーバス社が実施する全身性強皮症を対象とした第Ⅲ相臨床試験の結果の速報を発表しました。レナバサムは炎症収束作用を持つ新規の経口薬であり、免疫抑制を示すことなく炎症状態を正常へ導きます。
発表された試験結果の速報は以下の通りです。
・ 本試験は、多国籍二重盲検無作為化プラセボ対照の第Ⅲ相試験で、びまん皮膚硬化型全身性強皮症患者365例を対象に、レナバサム20mg 1日2回、レナバサム 5mg 1日2回、プラセボのいずれかを52週間投与し、有効性と安全性を検討しました。
・ 最近の診療動向を反映して、登録被験者の84%が免疫抑制薬を併用していました。
・ トップラインデータにおいて、主要評価項目および副次評価項目でレナバサムとプラセボとの間に有意差は認められませんでした。
・ プラセボ投与群の被験者において前例のない改善が認められ、主要評価項目であるACR CRISS スコアの中央値は0.887に達しました。それに対してレナバサム 20mg 1日2回投与群では0.888でありました。
・ ACR CRISS は、患者の改善の可能性を反映する複合エンドポイントであり、ACR CRISSスコアの最大値は1.0です。
・ 本試験でのレナバサムの投与は安全で忍容性も良好であり、新たな安全性に関わるシグナルは認められませんでした
・ コーバス社にてデータのさらなる分析を行った後、FDAと協力して、次段階の臨床開発計画の可能性を検討したいと考えています。結果は今後の医学会議で発表される予定です。
・ 嚢胞性線維症、皮膚筋炎、および全身性エリテマトーデスを対象とした治験が進行中です。
出典元
科研製薬株式会社