ヒュミラ、X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎(nr-axSpA)治療薬として適応追加承認を取得
アッヴィ合同会社は2月20日、ヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体製剤であるヒュミラ(一般名:アダリムマブ<遺伝子組換え>、以下「ヒュミラ」)について、既存治療で効果不十分なX線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎(nr-axSpA)の成人患者さんに対する治療薬として適応追加承認を取得したと発表しました。
体軸性脊椎関節炎(axSpA)は、主に脊椎や骨盤の関節に炎症が起こる疾患で、強直性脊椎炎(指定難病271、AS)およびX線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎(nr-axSpA)の2つに大別されます。強直性脊椎炎(AS)と体軸性脊椎関節炎(nr-axSpA)の違いは、X線画像での所見の程度であり、体軸性脊椎関節炎(nr-axSpA)患者さんでは臨床的に仙腸関節の構造的変化がX線基準を満たしません。しかし、体軸性脊椎関節炎(nr-axSpA)の患者さんは、身体に疼痛、炎症やこわばりなどの障害が頻繁にみられるため、生活の質や健康に重大な負担を及ぼす可能性があります。
今回の承認は、日本脊椎関節炎学会、日本リウマチ学会および日本AS 友の会からの効能・効果追加の要望により「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」において、ヒュミラの海外での試験や国内における全国疫学調査の結果などの国内外の公表文献から、その妥当性が評価された公知申請に基づいたものです。
ヒュミラは、日本において「関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)、化膿性汗腺炎、壊疽性膿皮症、既存治療で効果不十分な尋常性乾癬・乾癬性関節炎・膿疱性乾癬・強直性脊椎炎・多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎・腸管型ベーチェット病・非感染性の中間部、後部又は汎ぶどう膜炎、中等症又は重症の活動期にあるクローン病の寛解導入及び維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)、中等症又は重症の潰瘍性大腸炎の治療(既存治療で効果不十分な場合に限る)」に係る効能・効果の承認を取得しています。今回の承認取得により、既存治療で効果不十分なX線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎(nr-axSpA)の成人患者さんに対する治療薬として、13番目の適応症を得ました。