発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)治療薬ファビハルタが発売
ノバルティス ファーマ株式会社は8月15日、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)に対する補体B因子阻害剤「ファビハルタ カプセル 200mg(一般名:イプタコパン塩酸塩水和物、以下「ファビハルタ」)」を新発売したと発表しました。
発作性夜間ヘモグロビン尿症(指定難病62)は、後天性の遺伝子異常により赤血球が補体の攻撃を受けやすくなり、補体に対する防御タンパクを失った赤血球(PNH赤血球)が血管内で補体の攻撃を受けて破壊される血液疾患です。起床時のヘモグロビン尿を特徴とし、貧血や疲労感、血栓症など、症状は患者さんによりさまざまです。日本の患者数は、約1,000人と推定されています。どの年代でも発症しますが、患者さんの多くは30~40歳で診断されています。
ファビハルタは、新たな作用機序により補体C5阻害剤による適切な治療を行っても十分な効果が得られない発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)成人患者さんのヘモグロビン値と生活の質(QOL)を改善する、単剤で使用可能な経口治療薬です。
発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)は、血管内で赤血球が補体により破壊され溶血が起こります。ファビハルタは、血管内外両方の溶血を抑制し、ヘモグロビン値を正常値(または基準値)近くまで改善することで、貧血や疲労をはじめとする発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)に残存しうる課題を包括的に対処できることが証明されています。さらに、患者さんを輸血などの処置を伴う治療から解放することが期待されます。
ノバルティス ファーマの代表取締役社長であるレオ・リー氏はプレスリリースにて、「治療によりPNHの病状が改善しても、ヘモグロビン値が基準値に到達せず、仕事や趣味などの日常生活をあきらめざるを得ない患者さんにファビハルタという利便性と効果を兼ね備えた画期的な治療選択肢をお届けできることを嬉しく思います。ファビハルタは、弊社が補体系の活性を制御する最も効果的な方法について20年以上にわたって革新的な研究を推し進めた集大成です。PNHのほかにもいくつかの希少疾患を対象として開発が進められており、私たちはこれからも患者さんのより充実した、すこやかな毎日のために、医薬の未来を描き続けます」と述べています。