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一次性免疫性血小板減少症治療薬mezagitamabの臨床第2b相試験の良好な結果を発表

武田薬品工業株式会社は6月24日、持続性もしくは慢性の一次性免疫性血小板減少症(特発性血小板減少性紫斑病:ITP)の患者さんを対象としたmezagitamab(TAK-079)の安全性、忍容性および有効性を評価する臨床第2b相、無作為化、二重盲検、プラセボ対照試験の良好な結果を発表したと報告しました。

一次性免疫性血小板減少症は、血小板が減少し、出血のリスクが高まる疾患です。出血のリスクが高まると、疲労やQOL(生活の質)の低下に繋がる可能性があり、重症例では生命が脅かされる場合もあります。

mezagitamabは、米国食品医薬品局(FDA)から一次性免疫性血小板減少症の治療薬として希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)指定、慢性/持続性ITPの治療薬としてファストトラック指定を受けている完全ヒト免疫グロブリンIgG1モノクローナル抗体(mAb)です。CD38発現細胞(形質芽細胞、形質細胞、ナチュラルキラー細胞を含む)に高い親和性を有し、これらの細胞を減少させます。

TAK-079-1004試験は、慢性もしくは持続性の一次性免疫性血小板減少症患者さんを対象に、3つの用量(100mg、300mgおよび600mg)を週1回、8週間にわたり皮下投与した後に8週間を超えて安全性追跡調査を行い、プラセボと比較評価した試験です。主要評価項目は、グレード3以上の有害事象、重篤な有害事象、および投与中止に至った有害事象を含む、試験治療下で有害事象を発現した患者さんの割合です。副次評価項目は、血小板反応、血小板反応の完全寛解、臨床的に意義のある血小板反応、止血血小板反応です。

評価した3つの用量すべてにおいて、プラセボと比較した結果、mezagitamabの投与により、血小板反応が大幅に改善することが示されました。mezagitamab群では、血小板数の迅速かつ持続的な増加(治療閾値50,000/μL以上)が認められ、その効果が最終投与(8週目)から16週目まで8週間持続したことから、血小板反応が迅速かつ治療後の効果も示されました。

本試験において、mezagitamabの安全性および忍容性プロファイルが良好であることを示しており、新たな安全性シグナルは検出されず、安全性プロファイルはこれまでに実施されたmezagitamabの試験と一致していました。mezagitamab群とプラセボ群の有害事象は、投与中止に至った有害事象、グレード3以上の有害事象、および重篤な有害事象はそれぞれ、14.3%と0%、17.9%と23.1%、および14.3%と7.7%でした。

本試験の発表者であるDavid Kuter, M.D., D.Phil.は、第32回国際血栓止血学会(International Society on Thrombosis and Haemostasis Congress:ISTH)Late-Breakthrough Sessionにおいて、「現在利用可能な治療法があるにもかかわらず、ITP患者さんの疾患負荷が依然として大きく、ITP患者さんが忍容できる疾患修飾治療が必要とされています。今回の臨床第2b相試験の結果は、mezagitamabが有効性および安全性プロファイルが良好であることを示しており、ITPにおいてベスト・イン・クラスの有効性を示す可能性を有するこの抗CD38モノクローナル抗体について、さらなる臨床的エビデンスを得る準備が整いました」と述べています。

また、武田薬品のVice PresidentでありFranchise Global Program LeaderであるObi Umeh, M.D., M.Sc.はプレスリリースにて、「今回の臨床第2b相試験の結果を、ISTHでLate-Breaking Abstractとしての発表に選んでいただけたことを光栄に思います。これらの結果に基づき、当社は2024年度下期にITP患者さんを対象としたmezagitamabの臨床第3相試験を開始する予定であり、アンメットニーズの高い治療領域で革新的な医薬品を創出するという当社の目標に向け、さらに取り組んでまいります」と述べています。

出典
武田薬品工業株式会社 プレスリリース

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