発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)の併用投与への期待~アレクシオンファーマがメディアセミナーを開催~
アレクシオンファーマ合同会社は2月15日、メディアセミナーを開催。同セミナーに、大阪大学大学院医学系研究科血液・腫瘍内科学招聘教授の西村純一先生と筑波大学医学医療系医療科学教授の小原直先生が登壇しました。
発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)は、血管内の赤血球破壊と、白血球および血小板の活性化を特徴とする血液疾患です。主な症状は、溶血、血栓症、骨髄不全です。溶血症状が強いときに血栓症を起こしやすくなります。また、腎障害や慢性腎障害などの合併症を引き起こす可能性もあります。
西村先生「PNHを疑うことが重要」
発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)の診断には、血管内溶血の指標であるLDHの上昇、網赤血球の増加、間接ビリルビン値の上昇、血清ハプトグロビン値低下が参考になります。これらの数値から血管内溶血を疑い、フローサイトメトリー検査をおこないます。
フローサイトメトリー検査では、主症状である溶血に起因するほどのPNH型赤血球があるのかを調べます。PNH型赤血球には、II型とIII型があります。この2つのタイプを合わせて1%以上のPNH型赤血球があり、LDH値が正常上限の1.5倍以上あれば、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)との診断がつきます。
発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)の診断について、西村先生は「発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)を疑うことが重要。疑うことで、フローサイトメトリー検査の実施に繋がり、診断がつきます」と話しました。
C5阻害剤と補体D因子阻害剤の併用投与による相乗効果に期待
発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)治療薬であるC5阻害剤を投与された患者さんでは、血管外溶血が生じることがあります。血管外溶血は、血管内溶血とは異なる原因で発生し、貧血や倦怠感、黄疸、胆石の要因になります。貧血症状が重症化すると、輸血が必要となる場合もあります。
こうした際にはC5阻害剤と、最近承認された補体D因子阻害剤というお薬を併用することで、血管内溶血と血管外溶血の両方を抑制することができるそうです。
小原先生は「元々、活動性が高い患者さんで、C5阻害剤を使用しているが貧血が残存していて、生活がある程度制限されている方にとっては、良い適応になるのではないか」と期待を語りました。