「アクテムラ®」COVID-19を対象とした第Ⅲ相試験実施
中外製薬株式会社は2020年4月8日、ヒト化抗ヒトIL-6レセプターモノクローナル抗体「アクテムラ®[一般名:トシリズマブ(遺伝子組換え)]」について、新型コロナウイルスによる肺炎(COVID-19)患者を対象とした国内第Ⅲ相臨床試験を実施することを発表しました。
中外製薬は同日、日本国内におけるCOVID-19による入院患者を対象としたアクテムラ®の第Ⅲ相臨床試験の実施に向けた治験届を独立行政法人医薬品医療機器総合機構(Pmda)に提出したことを発表しました。アメリカをはじめとし、海外では既にロシュ社(スイス)が、無作為化二重盲検プラセボ対象第Ⅲ相臨床試験の開始を発表しており、330例を目標に被験者の登録が進められる予定です。
さらに、ロシュ社のグループ会社であるジェネンテック社は3月23日に、アクテムラ®について、重症のCOVID-19による入院患者に対し、アクテムラ®と標準的な医療措置を併用した場合の有効性と安全性を評価する試験の承認をFDAより取得したことを発表しています。
アクテムラ®は、体内で炎症反応に関与するとされているインターロイキン-6 (IL-6)の働きを阻害する作用があります。日本国内では2005年に販売が開始され、現在までに点滴静注製剤ではキャッスルマン病や成人スチル病を始めとする6つの適応、皮下注製剤では関節リウマチや高安動脈炎など3つの適応を取得しています。