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もやもやびょう
もやもや病Moyamoya disease

指定難病22

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もやもや病
ウィリス動脈輪閉塞症

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病気・治療解説

概要

もやもや病は脳の血管に生じる病気です。内頚動脈という太い脳血管の終末部が細くなり、脳の血液不足が起こりやすくなります。このため、一時的な手足の麻痺、言語障害を起こすことがしばしば見られます。血流不足を補うために拡張した脳内の血管、“もやもや血管”が脳底部に見られることが特徴です。
もやもや病で細くなる血管は“ウィリス動脈輪”という血管の環状交差点(ロータリーのようなもの)をつくっています。そのためウィリス動脈輪閉塞症とも呼ばれます。一方、脳細胞に血液を供給するため太い血管から枝分かれした細い血管が、太くなり不足した血液を補います。しかし、本来の太さ以上に拡張して多量の血液をおくるため切れやすく、頭蓋内に出血を起こすこともあります。現在のところはっきりした原因は解明されていません。

疫学

もやもや病には家族内発症するかたが10〜12%程度に見られると言われています。つまり、本人がもやもや病の場合、その親や兄弟姉妹、いとこなどにももやもや病の方がいる可能性が一定程度(10−12%程度)ありうるということです。

罹患数

もやもや病は、人口10万人あたり6-10人程度いると考えられています。都道府県に登録されている患者さんの人数は、平成25年度1万6086人でした。昭和57年度に最初に599人に発行されてから32年間で徐々に増加していますが、必ずしも患者さんが増加しているわけではなく病気が広く認識され、診断される機会が多くなったものと考えられます。

原因

病気の原因はまだ解明されていません。もやもや病患者さんに病気の症状がおこるメカニズムや、ある特定の遺伝子を持つ方に発症し易い傾向があることまでは最近の研究で明らかにされています。

遺伝

現在わかっている範囲では、もやもや病の患者さんから生まれたお子さんが、必ずしも、もやもや病を発症するとは言い切れません。兄弟がもやもや病のかたがいらっしゃる場合に、必ずしもそのご本人がもやもや病を発症するとは言い切れません。遺伝の関わる疾患ではあるけれども、必ずしも親子や兄弟で伝わるとは言い切れないというのが現在のデータが示す事実です。
家族内発症を高頻度に起こしている家系があることが知られています。一方で、家族歴なく発症している患者さんも見られます。どの病気にも共通して言えることですが病気の成りやすさには遺伝的素因が関わっています。この素因そのものに直接脳血管を閉塞させる性質はなくてもある他の要因が加わると、脳の血管に異常を来すという性質のものなのかもしれません。
患者さんの家族の中に、比較的若くして脳卒中を患った家族がいる場合などは、家族性発症が疑われます。従って、このような患者さんに御兄弟、姉妹がいる場合は脳の血管をMRIなどで調べるのが良いと思われます。

症状

前頭葉の血流不足による症状が起きやすく、症状が一時的に起こり回復する事がしばしば見られます。そのため、医療機関への受診が遅れることもあるので注意が必要です。典型的には、手足の麻痺が生じます。言葉が話せなくなったり、ろれつがまわらなくなるといった言語障害もしばしば見られます。小児には、熱いめん類などの食べ物をたべるときのふーふーと冷ます動作や、フルートなどの楽器演奏や走るなど息がきれるような運動が引き金となって症状がでることがしばしば見られます。脳内の二酸化炭素濃度が低下して脳血管が収縮しさらに血流不足になることが原因です。また脳梗塞や脳出血を発症し、その際に行われた精密検査で診断されることも比較的多く見られます。
一方、口の周りや手足のしびれ、頭痛といった一見、軽微な症状で頭部の検査をした所、この病気が判明することもあります。また、けいれん発作や手足が意思に反してガクガクと動いてしまう不随意運動という症状も稀に見られます。
また、高次脳機能障害といって成人の患者さんに情報処理能力、注意力、記憶力などの低下を来す事もあります。小児期に脳梗塞、脳出血を来した患者さんには知能の発達障害が見られる事があります。

治療法

脳卒中の予防のためには手術治療が効果的です。これは原因となっている内頸動脈の閉塞を直接治すものではなく、新たに血流の供給をするようなバイパス経路を作成するものです。
血液の中の血小板(けっしょうばん)という成分の機能を抑えて血液を固まりづらくする抗血小板薬が使用されることもあり、一定の効果があると考えられています。
脳卒中を起こした直後の患者には、一般的な脳卒中に対する治療が行われ、症状が安定した段階で外科的治療を考慮するのが一般的です。

経過

脳の血管の閉塞に関しては、最初の診断時と同じ状態が何年も何十年も変わらない人もいれば、徐々に進行していく人もいるといわれています。従って、定期的なMRIなどによる検査が必要と思われます。
適切な治療や管理を受けて学業生活を終えて就労されている方や、妊娠出産をへてお子さんをお持ちになっておられる方が多くいらっしゃいます。約7割程度の患者さんは、症状的には安定して生活を送っていると見込まれています。
一方で、初発症状が脳出血や脳梗塞の場合は、運動麻痺、言語障害、高次脳機能障害などが後遺症として見られることがしばしばあります。小児では、明らかな身体的障害を持たなくても、慢性的頭痛などによる不登校もしばしば見らます。成人では高次脳機能障害による就労困難なども少なくないと見られます。

患者さんに知って欲しいこと

特に小児の場合では、症状がしばしば出現する場合、激しい運動、楽器などの演奏は控え、なるべく早期に手術治療を行うことを主治医と相談すべきであると思われます。
治療後、症状が安定している児童に対しての過度な生活動作制限の必要はないので、手術後に症状が消失しているにもかかわらず、長期に渡り日常生活などが制限されている場合には学校及び主治医と相談してください。
手術後、一過性虚血発作がたびたび起こる例であっても半年~1年程の経過で安定することが大多数と思われます。このような場合な期間を除き基本的には日常生活での制限を要する場合はないと考えられます。

※ 難病情報センター(http://www.nanbyou.or.jp/)より、許可をいただき掲載しております。