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ノバルティスのリアルワールドデータ研究、「ジャカビ」が希少血液がんの死亡リスクおよび血栓リスクの減少に関連すると結論

タグ:真性多血症
2018/07/05
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2018年6月15日、スイス・バーゼル発 – ノバルティスは、「ジャカビ®」(ルキソリチニブ)による治療を受けた、ヒドロキシカルバミド(HU)に抵抗性または不耐容の真性多血症(PV)患者さんでは、現時点での最善治療を受けたPV患者さんと比べ、血栓症および死亡のリスクが有意に減少したことを示す新たな比較研究の結果を発表した1

本研究結果は、「ジャカビ」の第III相RESPONSE試験とスペインのリアルワールドデータであるGEMFINI患者レジストリーとの比較に基づいている。
PVは、治癒が困難で季少な血液のがんで、血液細胞が過剰産生されることにより、血栓、脳卒中や心臓発作などの重篤な心血管系の合併症を引き起こす4

最大規模の拡大アクセス試験の有効性および安全性の解析

新たな知見は、スウェーデン、ストックホルムで開催された第23回欧州血液学会(EHA)で発表された。

スペイン、バルセロナにあるHospital Clinic 血液内科の研究責任医師、アルベルト・アルバレス-ララン医師(Alberto Alvarez-Larran, MD)は次のように述べている。

「臨床試験データをリアルワールドの経験で補うことで、治療が患者さんの日々の生活にどのような影響を与えているか貴重な洞察を得ることができます。この最新の研究は、ヒドロキシカルバミドが治療選択肢とならないPV患者さんにおいて、『ジャカビ』の投与が良好な疾患コントロールに役立つことを裏付けるものです」。

EHAの年次総会で発表された「ジャカビ」の追加データには、これまでに「ジャカビ」の投与を受けたMF患者さんを対象とした最大規模の拡大アクセス試験(JUMP)の有効性および安全性の解析が含まれる。

有効性解析では、「ジャカビ」の投与を受けた低リスクのMF患者さんで、脾臓サイズの縮小が達成され、8割以上の患者さん(82.1%)で、50%以上の脾臓の縮小が認められた2,3

別の解析では、「ジャカビ」の投与を受けたMF患者さんにおいて、高用量(≥10mg、1日2回)の投与、疾患の早い段階からの投与が、脾臓に対する効果がより大きくなり得る因子として特定された5

ノバルティス・オンコロジー事業部グローバル医薬品開発の責任者であるサミット・ヒラワット医師(Samit Hirawat, MD)は次のように述べている。

「骨髄増殖性腫瘍(MPNs)の治療選択肢は限られており、多くのMPN患者さんは疾患のコントロールにおいて困難を強いられています。ノバルティスとそのパートナーである医療従事者がPVおよびMFにおいて実施したこの研究は、『ジャカビ』が患者さんの疾患による負担軽減に、どのように貢献できるか明確にする一助となっています」。

さらに、EXPAND試験の48週間のデータは、血小板数が低下したMF患者さんに対する「ジャカビ」の開始用量を10mg(1日2回)とすることを支持し、出血および重篤な合併症のリスクが高い患者集団における重要な情報を提供している5

本試験で「ジャカビ」の投与を受けた患者さんのほぼ3分の1は、48週目の時点で脾臓サイズが50%以上縮小しました(血小板数75~99 x 109/Lの患者さんの31.8%[7/22例]および血小板数50~74 x 109/Lの患者さんの35.7%[5/14例])5

PVリアルワールド比較研究について

EHAで発表された新たなデータは、RESPONSE試験における「ジャカビ」投与群の患者さんおよびGEMFIN(Grupo Español de Enfermedades Mieloproliferativas Crónicas Filadelfia Negativas)レジストリーにおける現時点でのBATを受けたリアルワールドの患者データを用いて、全生存期間および血栓症(血栓)の発生率を比較している1

以前に報告された第III相RESPONSE試験では、BATから「ジャカビ」への切り替えの割合が高かったため、全生存期間および血栓症発生率の比較ができなかった。

RESPONSE試験は、ヒドロキシカルバミドに抵抗性または不耐容のPV患者さんを対象とした国際共同非盲検試験で、患者さんを「ジャカビ」投与群(開始用量10mg、1日2回)またはBAT群(治験担当医師が選んだ単剤療法または経過観察のみと定義)のいずれかに1:1の割合で無作為に割り付けをした。

リアルワールドBAT群のGEMFINレジストリーの患者さんは、修正された欧州白血病ネットの判定基準(European Leukemia Net criteri)においてヒドロキシカルバミドに抵抗性または不耐容であり、ヒドロキシカルバミド(44%)、ブスルファン(10%)、放射性リン(2%)、インターフェロン(6%)、アナグレライド(12%)、その他の治療(11%)、または腫瘍縮小を目的としない治療(26%)を受けていました。一部の患者さんは複数の治療も受けた1

GEMFINでは、「ジャカビ」の投与を受けた患者さんは、リアルワールドのBATを受けた患者さんに比べ有意に全生存期間が延長し(HR=0.28[0.11–0.72])、血栓のリスクが減少した(HR=0.21[0.06–0.76])1

JUMP試験について

JUMPは、MFにおける「ジャカビ」の安全性および有効性をさらに評価するようデザインされた第IIIb相拡大アクセス試験である。

これには「ジャカビ」の投与を受けたMF患者さん(現時点で2,233例)の最大のコホートが含まれる。

本試験は、臨床試験以外の治療にアクセスできない患者さんが「ジャカビ」にアクセスできるようにし、DIPSSの低リスク群と判断された患者さん60例を組み入れた2,3

EXPAND試験について

EXPANDは、ベースラインの血小板数50~99 x 109/LのMF患者さんを対象とした非盲検第Ib相用量設定試験である。

EHAで発表された結果は、48週間の観察期間の結果である5

この試験では、「ジャカビ」の安全な開始用量として10mgの1日2回投与を評価した。

重要な副次的評価項目は、脾臓サイズが50%以上縮小した患者さんの割合を含む、安全性および有効性である。

安全性の所見も同様に、これまでの「ジャカビ」の試験と一致した5

骨髄繊維症および真性多血症について

骨髄線維症(MF)および真性多血症(PV)は、関連するまれな血液がんで、身体の血液細胞に関係する骨髄細胞の増殖と機能に異常をきたす骨髄増殖性腫瘍(MPNs)と呼ばれるグループに属する4,6

MF患者さんでは、骨髄で正常な血液細胞を十分に産生することができないため、脾臓の腫大が起こる。MFは10万人あたり約1人が罹患する6

PVは、血液細胞が過剰に産生され、十分にコントロールされない状態では血栓、脳卒中や心臓発作といった重篤な心血管系の合併症を引き起こす。
PVは世界中で、毎年10万人あたり最大3人程が罹患する4

「ジャカビ®」について

「ジャカビ」は、JAK1およびJAK2チロシンキナーゼの経口阻害剤である。

「ジャカビ」は、欧州委員会により、ヒドロキシカルバミドに抵抗性または不耐容である真性多血症(PV)の成人患者さんの治療、原発性骨髄線維症(慢性突発性骨髄線維症)、真性多血症後の骨髄線維症または本態性血小板血症後の骨髄線維症(MF)の成人患者さんにおける脾腫または諸症状の治療薬として承認された。

「ジャカビ」は、欧州連合、スイス、カナダ、日本を含む101カ国でMFの治療薬として、また、欧州連合、スイス、日本、カナダを含む75カ国以上で、PVの治療薬として承認されている。

日本では、2011年9月に骨髄線維症を予定される効果・効能として厚生労働省より希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)の指定を受け、2014年7月に骨髄線維症の治療薬として承認を取得している。

また、2015年9月には、真性多血症(既存治療が効果不十分又は不適当な場合に限る)を効果・効能として、承認を取得した。

「ジャカビ」の正確な適応症は各国により異なり、その他の国においても、骨髄線維症および真性多血症の治療薬として世界各国で承認申請が進められている。

ノバルティスはルキソリチニブについて、インサイト社から米国外での開発と商業化のライセンスを取得している。

「ジャカビ」は、米国ではJakafi®という製品名で、ヒドロキシカルバミドが効果不十分であるか、ヒドロキシカルバミドに不耐容である真性多血症の患者さんの治療薬のほか、中リスクから高リスクの骨髄線維症の患者さんの治療薬として、インサイト社が販売している。

真性多血症に対する「ジャカビ」の推奨開始用量は、10mgの1日2回経口投与をする。

骨髄線維症に対する推奨開始用量は、血小板数が100,000/mm3から200,000/mm3の患者さんに対しては「ジャカビ」15mgの1日2回経口投与、血小板数が200,000/mm3を上回る患者さんに対しては20mgの1日2回投与をする。

用量は、安全性と有効性に基づいて調整する。骨髄線維症の患者さんや血小板数が50,000/mm3から100,000/mm3の真性多血症の患者さんに対する推奨開始用量については限られた情報しかない。

このような患者さんに対する最大推奨開始用量は5mgの1日2回投与であり、慎重に調整する必要がある7

「ジャカビ」は、米国外の国々におけるノバルティス社の登録商標であり、Jakafiはインサイト社の登録商標である。

承認されている適応症以外では、「ジャカビ」の安全性と有効性のプロファイルは確立されていない。

骨髄線維症(MF)および真性多血症(PV)の治療に関する「ジャカビ®」の重要な安全性情報

「ジャカビ」は、血球数減少や感染症などの重篤な副作用を起こす可能性がある。
このため、全血球のモニタリングが推奨される。

肝障害や重篤な腎障害がある患者さんや、血小板減少症、貧血、好中球減少症などの血液学的有害事象を示す患者さんには、減量か休薬が必要になることがある。

「ジャカビ」を強力なCYP3A4阻害剤やフルコナゾールと併用する場合も、減量が推奨されます。妊娠中の女性に対する「ジャカビ」の投与は推奨されていない。

また、「ジャカビ」服用中の患者さんは、妊娠や授乳を避ける必要がある。

進行性多巣性白質脳症(PML)が報告されており、進行性多巣性白質脳症が疑われる神経精神症状には注意が必要である。

慢性HBV感染の患者さんで、B型肝炎ウイルス量(HBV-DNA)の増加が報告されている。

慢性HBV感染の患者さんには、臨床ガイドラインに準拠して、治療とモニタリングを実施する必要がある。

「ジャカビ」を投与した患者さんに、非メラノーマ性皮膚がん(NMSC)が報告されており、定期的な皮膚検査が推奨される。

骨髄線維症の患者さんで多くみられる副作用(>10%)には、尿路感染症、貧血、血小板減少症、好中球減少症、高コレステロール血症、浮動性めまい、頭痛、アラニンアミノトランスフェラーゼ上昇、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ上昇、内出血、体重増加がある。

骨髄線維症の患者さんに多く見られる副作用(1~10%)には、帯状疱疹と鼓腸がある。
骨髄線維症の患者さんに認めたまれな副作用には結核がある。

真性多血症の患者さんで多く見られた副作用(>10%)には、貧血、血小板減少症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、浮動性めまい、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加がある。

真性多血症の患者さん多く見られた副作用(1~10%)には、尿路感染症、帯状疱疹、体重増加、便秘、高血圧がある。

参照:ノバルティスファーマ株式会社プレスリリース

参考文献
1. Alvarez-Larran, et al. Comparison of Ruxolitinib Real-World Best Available Therapy in Terms Of overall Survival and Thrombosis in Patients with Polycythemia Vera who are Resistant or Intolerant to Hydroxyurea. EHA 2018. Abstract PF628.
2. Guglielmelli, et al. Safety and Efficacy of Ruxolitinib (Rux) in Patients (Pts) with Dipss Low-Risk Myelofibrosis (MF) in the Phase 3b Expanded-Access Jump Study. EHA 2018. Abstract PF623.
3. Gupta, et al. Predictors of Response to Ruxolitinib (Rux) in Patients (Pts) with Myelofibrosis (MF) in the Phase 3b Expanded-Access Jump Study. EHA 2018. Abstract PF616.
4.Leukemia & Lymphoma Society. Polycythemia Vera Facts. Available at: http://www.lls.org/content/nationalcontent/resourcecenter/freeeducationmaterials/mpd/pdf/polycythemiavera.pdf. Accessed June 2018.
5.Vannucchi, et al. Results from 48-week follow-up of the EXPAND study: a phase 1b, open-label, dose-finding study of ruxolitinib in patients with myelofibrosis and low platelet counts (50-99 × 109/L) at baseline. EHA 2018. Abstract PF611.
6.Leukemia & Lymphoma Society. “Myelofibrosis Facts.” Available at: https://www.lls.org/sites/default/files/file_assets/FS14_Myelofibrosis_Fact%20Sheet_Final9.12.pdf. Accessed June 2018.
7.Jakavi® (ruxolitinib) tablets: EU Summary of Product Characteristics. Novartis; Mar 2015.


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引用元:ノバルティスファーマ株式会社プレスリリース
タグ:真性多血症

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